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生徒の「読解力」不足に悩む先生へ!国語の苦手を放置させない5つの実践ステップ

公開日:2026.10.23

更新日:2026.10.29

この記事は5616文字です。
約5分で読めたら読書速度1200文字/分。

「国語はすべての学習の基本」と言われるものの、日ごろ日本語で困ることはないからこそ「まずは算数から…」「まずは英語から…」となりがちです。
国語が苦手科目になっていても、目の前にある壁が見えやすい算数・数学や英語に目が向いてしまうのも仕方ないことかもしれませんが、できれば国語こそ勉強してほしい科目ですよね。
この記事では、国語が苦手なまま放置しないようにするためにできる工夫を整理していきます。

1.知らない語彙を見つけるためには音読させる

語彙が少ないことを「痛感」できるのは音読です。

音読すると「読み飛ばし」がしにくい

黙読では、知らない言葉が出てきても目を先へ進めることができてしまいます。
しかし音読では、読めない漢字や意味のわからない言葉で自然と止まります。この小さな「引っかかり」が、語彙の穴を見つけるきっかけになります。
音読中に止まった箇所が、語彙に対する課題が集まっている部分だと考えてみましょう。音読している様子を聞くことができれば、少し不自然な読み方をした部分をチェックすることができ、本人の不安だった場所を指摘するのに役立ちます。

読めない・意味を知らない語彙の対処はその場で

音読していて詰まってしまった言葉を、なるべくその場でノートや付箋にメモさせるようにしましょう。
「あとで調べよう」だと、あとで調べようと思ったときに「この言葉は知っている気がする…」とスルーしてしまう可能性が高くなります。その場で辞書を使って調べようとすると、文章を読むことに支障が出てしまいますので、メモを取るだけで十分でしょう。
「こんなに知らない言葉があったんだ」という気づきが、国語への意識を変える第一歩かもしれません。

おつまみメモ

授業中に一人だけ音読させるのは、苦手な生徒にとってハードルが高いものです。そこでおすすめなのが、授業開始時の「1分間ペア音読」です。
隣の席の生徒と一緒に同じ文章を声に出して読むことで、恥ずかしさが軽減されます。

2.漢字を書かせる機会を意図的に増やす

頭で「わかった」ではなく、身体で「覚えている」状態を目指します。

ただ書き写すだけの練習では定着しにくい

漢字練習の宿題はきちんとしているのに、なぜかテストでは書けない…という子を指導した経験をお持ちの方も多いかもしれません。
これは漢字の「形」をある種の「デザイン」として記憶しているだけで、漢字の意味や使い方とセットでの理解になっていないと言えるでしょう。
「この漢字を使った文(用例)を自分で作ってみよう」という練習を組み込むことで、単純な書き取りよりも定着率が上がることがあります。

日常の授業の中に「書く場面」を意図的に組み込む

「わかった!」と答えても、いざ書かせると書けないことは少なくありません。
授業の中で答えを口頭で言わせるだけでなく、ノートに書かせる機会を増やすことが、漢字の定着につながるかもしれません。「漢字で書いてみて」という一言を日常的に添えるだけで、書く機会が自然に増えていきます。
講師や塾側が意図的に「書く機会」を設計してあげることも重要な要素です。

NG例

作業になる指示

間違えた漢字をノートに10回ずつ書く
回数をこなすことが目的(作業)になってしまい、テストの時には使い方を忘れてしまいます。

OK例

思考を促す指示

間違えた漢字を3回ずつ書き、その漢字を使って短い文を1つ作る
「文を作る」という工程を挟むことで、漢字の意味や使い所をセットで理解できます。

3.読んで「理解できたつもり」になっていないか

「理解する」ために読んでいるか確認します。

「なんとなく読む」から「目的を持って読む」への切り替え

「とにかく読む」よりも、「この文章のテーマを探しながら読もう」「筆者が一番言いたいことを見つけながら読もう」という目的を持たせてから読ませると、読み方が変わります。
目的がある読み方は、注意が散漫になりにくく、理解の精度が上がりやすいと言えます。最初のうちは講師が目的を提示して一緒に確認しながら進めると、生徒たちも、次第に「こういう読み方をするんだ」と感覚をつかみやすくなるでしょう。
これが習慣化されれば「読んだ気になる」を防止することができるようになるでしょう。

段落ごとに「ここで言いたいことは何?」と確認する

国語の指導で難しいのは、「読んだ」と「理解した」が、生徒たちの中で混同されやすいことです。
「理解できたつもり」で長い文章を読み進めていくと、気づいたら違う方向に向かっているかもしれません。一気に理解するのが難しいのであれば、よくある手法ですが、段落単位で読み進めながら「ここの段落では何を言っているの?」と確認していくアプローチがもっとも確実です。
一段落ずつ丁寧に確認していくと、意外なところで「実はわかっていなかった」という箇所が見つかることもあります。

NG例

「はい/いいえ」で答えられる質問

「今の段落、言いたいことわかった?」➔ 生徒「はい!わかりました!」
生徒は怒られたくないため、反射的に「はい」と答えてしまいがちです。これでは本当に理解しているか確認できません。

OK例

具体的な説明を求める質問

「今の段落で、筆者が一番びっくりしたことは何だった?」
ピンポイントで内容を尋ねることで、正しく読めていないと答えられない状況を作ります。ここで生徒が言葉に詰まったら、「もう一度一緒に読んでみようか」と的確なフォローに入ることができます。

4.なるべく豊富な語彙でアウトプットさせるように工夫する

すべてを「ヤバい」で終わらせないようにしましょう。

「なんかヤバかった」って何?

日常会話でも作文でも、語彙が少ない子は同じ言葉を繰り返しがちです。「なんかいい感じだった」「とにかくヤバかった」といった表現が出てきたら、一歩踏み込んで聞いてみましょう。
語彙力は「知っている言葉の数」と「実際に使える言葉の数」が重要です。アウトプットで使っていくことで語彙が定着していくと言えます。話す・書くという場面で少しずつ言葉の幅を広げさせていくことが、国語の読解力の底上げに役立ちます。より具体的・適切な言葉を探す練習が、語彙の活用力を育てていきます。

感想を言わせるときに「理由」をセットで

「この文章を読んでどう思った?」という問いに対して「面白かった」「難しかった」だけで終わらせるのはもったいないと言えるでしょう。
せっかく読んだ文章ですから「どうして面白いと思ったの?」「何が難しかった?」と理由まで聞くとよいでしょう。理由をあえて言語化させることで、語彙力はもちろん、考える力も伸びていくでしょう。
最初はうまく言えなくて当然ですが、繰り返すうちに少しずつ言葉が出てくるようになりますので、根気よく取り組みたいですね。

おつまみメモ

教室の壁に「ヤバい・すごい・えぐい」の『言い換え表』(例:感動した、驚いた、焦った、悲惨だった、最高だった等)を貼っておきましょう。
生徒に感想を聞く際、「この表の中から今の気持ちに一番近いものを選んでみて」と促すだけで、生徒はパズル感覚で語彙を学び、アウトプットの質が劇的に変化します。

5.国語は早い段階でレベルを引き上げることにメリットがある

国語の学習が自走できるようになれば、入試突破の大きな武器になります。

国語の読解力は「他教科の土台」になりうる

国語が得意な生徒は、問題文をしっかり読み取れる力があるため、他教科でも問題の指示や意味を正しく捉えられます。正しく読み取るのに苦労していると、考える時間が取れなかったり、計算の処理を焦ったりして余計なつまずきを生んでしまうかもしれません。
国語の力を上げることが、間接的に他教科の成績にも影響を与える可能性があります。

早い段階で取り組むことで受験を有利に

語彙や読解の基礎が固まっていない状態で受験学年を迎えると、レベルの高くなった他の科目の勉強と併せて国語も取り組む必要があり、焦りにつながってしまいます。
国語の学習は確かに時間はかかりますが、ある程度のレベルに到達させて、自走できるようになれば、他の科目の学習に時間を割くことができるようになって、受験勉強を有利に進めることができるようになるでしょう。

保護者にも「国語の重要性」を丁寧に伝える

保護者の方も、「国語は日本語だから大丈夫」と思っていることが少なくありません。
面談や連絡の場で、国語の読解力が他教科の学習にも影響するという話を丁寧に伝えることで、家庭での読書習慣や言葉への意識が変わることもあります。「国語を後回しにしないことの意味」を共有できると、塾と家庭が同じ方向を向いた指導につながりやすくなるかもしれません。

読解力指導のハードルを下げる「新国語講座」のご案内

国語の読解力が全教科の土台になるとわかっていても、「どこから教えればいいか迷う」「授業準備に時間がかかる」と、現場での指導にハードルを感じる先生も多いのではないでしょうか。
そんな教室の課題を解決し、生徒の確かな読解力を育むためにおすすめしたいのが、日本速読解力協会(運営:株式会社SRJ)が提供するICT教材TERRACE「新国語講座」です。
語彙力の強化から文章の構造理解まで、この記事でご紹介したようなステップを体系的に、かつ生徒が自らスムーズに進められるよう設計されています。先生方の指導や準備の負担を最小限に抑えつつ、国語力を根本から底上げするツールとして、ぜひ現場の指導にお役立てください。

まとめ

日々の小さな「実践」が、全教科を支える読解力に変わる

国語の苦手さは、算数・数学や英語と比べて「どこがわからないか」が見えにくく、対策が後回しになりやすい科目です。しかし、語彙・漢字・読解・アウトプットといった基礎の積み重ねは、国語だけでなく幅広い学習の基盤になります。
今回ご紹介した5つの工夫を参考に、日々の指導の中で少しずつ取り入れていただければ幸いです。国語の力が着実に育っていく様子を、生徒と一緒に確認していけるとよいですね。

執筆

株式会社SRJ 執行役員

安田 哲

約20年間にわたり首都圏大手進学塾の現場の最前線で、英語・国語を中心に指導。中学受験・高校受験の難関校への多数の合格者を輩出。科目の内容の指導だけでなく、家庭学習管理、生徒・保護者の皆様との面談を多数行う。大学院では言語学を専攻、英語以外の言語に関しても幅広い知識を有する。

好きなおでんの具材:1.大根 2.ちくわ 3.はんぺん