退塾防止の仕組み作りとは?塾生が辞めない教室運営の5つの鉄則
公開日:2026.10.22
更新日:2026.10.29
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せっかく入塾していただいた塾生が辞めてしまうと、単純に塾生が1名減るだけではなく、負の口コミにもつながってしまいます。どうすれば退塾を防止できるのか、この記事では塾生を退塾から防ぐ方法を5つの具体的なポイントに分けて整理します。
目次
1.塾生の満足度を常に意識
目の前の塾生は「入塾時の期待」と「現段階での満足度」にギャップを感じていないか…を常に意識することが大切です。
期待に応えられているか
通える範囲に複数ある塾の中から自塾に通うことを選んでくださった塾生。多くの場合、近隣他塾と天秤に掛けた上で、自塾に入るという選択を取ってくださっています。この時点で、自塾に対する「期待値」や「理想の姿」が思い描かれています。さて、今日の授業のタイミングで、その塾生が入塾時に持っていた「期待」は叶えられているでしょうか。
負の要因の発見
入塾時の期待を「プラス」方向に上振れさせることができれば、友人紹介や口コミにつなげることができます。これが「マイナス」方向に下振れしてしまうと、退塾やクレーム、負の口コミにつながってしまいます。その「マイナスの要因」は何かを見つけるためには、塾生の様子を常に観察して、ギャップを感じていないかどうかを日々チェックすることが大切です。
おつまみメモ
授業の終わり、生徒が帰る直前に「今日、一番スッキリ理解できたところはどこ?」と一言訊いてみましょう。これだけで生徒は「自分の学習に関心を持ってくれている」と強く実感します。この「手応え」こそが、満足度を底上げする一番の近道です。
この声掛けだけで学習内容を振り返る効果だけでなく、「理解できたところ」を認識できて前向きに帰宅できるという副次的効果も期待できます。
2.保護者とのコミュニケーションで退塾を防ぐ
保護者は「不安」であり「心配」なもの。気軽に話ができる状態や関係性を日頃から作っておくことが大切です。
保護者は塾の様子はわからない
家から塾に見送って、あるいは、塾の入り口で「行ってらっしゃい」としたタイミングからは我々講師と塾生だけの時間になり、保護者の方は塾の様子は何も知らない状態です。授業報告は定期的にお送りしていると思いますし、お迎えにいらっしゃった保護者の方とコミュニケーションを取ることもあるでしょう。ただ、塾生の些細な成長や、気になったちょっとした変化があれば、こちらから積極的にコミュニケーションを取るように心がけましょう。
小さなコミュニケーションが信頼関係を作る
保護者の方が塾の様子を知ることができるだけでなく、ほんの些細な変化や成長をお伝えするだけで「そんなところまで見てくれているのか」と保護者の方は安心します。それだけでなく、日頃の小さな心配事も相談してくれるようになり、お互いの信頼関係が構築されていきます。コミュニケーションをあまり取らずにいて、塾の様子・ご家庭の様子がお互いに分からず、いきなり掛かってきた電話で退塾表明やクレーム…というのは避けたいですね。
NG例
-
- 授業の報告や事務連絡のみ行う
- クレームや退塾の相談が来た時だけ連絡する
OK例
-
- 些細な成長や変化をポジティブに伝える
- 「いつも見てくれている」と安心感を与える連絡
3.成績表は細かくチェック
偏差値や順位だけなら誰でも確認できます。塾の先生だからこそ…の視点で細かく分析を行いましょう。
塾生・保護者は「目の前の成績」に一喜一憂するもの
成績表が返却されたときに「よかった!」「悪かった!」で一喜一憂するのが塾生や保護者。点数や偏差値、全体順位などを見て、それだけで成績表の確認は終了…となってしまうのがほとんどです。最近は「紙」での帳票ではなく「ウェブ上」のものも増えているようですので、見たくない成績であれば画面をそっと閉じてしまう…そんな塾生もいるかもしれませんね。
過去との変化と小さな成長を見つけてあげる
塾生の「勉強」という面で細かく見ている塾の先生だからこそ、過去からの推移や、小さな変化を見つけてあげることが重要です。
偏差値としてはあまり変わらなくても、計算ミスや漢字のミスが減った、文章題を最後まで解けたというような小さな変化を塾生・保護者が知ることができれば、このまま継続して塾に通いたいという気持ちになるのではないでしょうか。
厳しい結果になりそうなときこそ事前に情報共有を
何度教えても、どんな教え方をしてもなかなか定着しない単元がある、どうしても本人の苦手意識が消えない単元がある…しかもそれが今週末のテストの範囲だったら…。きっとあまりよくない結果の成績表が返ってくることになります。
こんな時こそ、事前に保護者と連携をとるようにしましょう。「今週末のテスト範囲になっているAという単元ですが…、この部分までは解けるようになっているので得点にはつながると思いますが、その先の応用問題の部分はテストでも解ききれない可能性が高いと思います…」という連絡があるだけで、保護者は安心できます。
NG例
-
- 偏差値や順位だけを確認する
- 結果が悪かった時、事後報告をする
OK例
-
- 過去の推移から「小さな成長」を見つけて褒める
- 悪い結果が予測できる時は、事前に相談・情報共有する
4.先生同士の連携も重要
先生の間で情報共有して、作戦を立てていくことも時には必要です。
得意な科目の先生に「苦手科目」のことを話してもらう
例えば、算数が得意である一方で、国語の漢字は苦手としている塾生がいるとします。おそらく国語の先生も保護者の方と連携して「漢字の勉強方法」や「漢字を勉強する重要性」などを伝えていると思います。
ここで、得意科目としている算数の先生に声をかけてもらうというのはどうでしょうか。「漢字の勉強で悩んでるみたいだけど…?」と軽く声をかけるだけで、算数以外のことも心配してもらえているという気持ちになるかもしれません。
苦手科目が重なっているときの学習指示は要注意
別の例です。中学生で英語も苦手、数学も苦手、おまけに理科も苦手…という塾生がいるとします。ここで、英語・数学・理科の先生が、好き放題に家庭学習の指示を出したらどうなるでしょうか。きっと、優先順位を決めることができず、どの科目も中途半端になってしまうことでしょう。塾の先生からすれば「これだけはやってほしい」というプランはあるのですが、本当にその塾生のことを考えて、バランスのとれた学習指示を出してあげるようにしましょう。
おつまみメモ
先生同士の共有は「苦手対策」ばかりになりがちです。事務連絡とは別に生徒の得意や成功体験を共有し、先生全体で生徒を応援する空気が、教室を明るくします。
5.退塾を防ぐ!明るく元気な声掛け
生徒の笑顔は先生の笑顔から。大変な時でも明るく元気に声掛けを行いましょう。

暗くて元気のない先生がたくさんいる塾と、明るく元気な先生がたくさんいる塾。どちらの塾なら「辞めたいな」と思わないでしょうか。
一部やる気に満ち溢れた塾生もいますが、塾生の多くは「勉強なんて面倒だな」と思っているはずです。そんな時に、ネガティブなオーラが満載の塾だと、勉強したいという気持ちになるはずがありません。
塾に来た時の最初の「こんにちは」から、授業を終えた「さようなら」まで、明るく元気に声掛けをしたいですね。余裕があれば塾の授業開始の5~10分前には入口で(駐輪場があれば自転車整理も兼ねて)声を掛けるようにするのもいいですね。
まとめ
「辞めさせない」のではなく、強固な信頼関係で「つながり続ける」教室へ
今回は退塾を防止するためのポイントを5つに分けて整理しました。
塾生の状況は様々ですから「これだけやれば絶対に退塾しない」というテクニックは残念ながら存在しません。また、転居などのやむを得ない事情で退塾してしまうケースもあるでしょう。
日頃から退塾防止に努めることは、塾生・保護者との強固な信頼関係を結ぶこととつながっています。強固な信頼関係があれば、成績がなかなか伸びなくても信じて通塾を継続してくれるものです。日々の業務に今回の内容を活かしていただければ幸いです。
執筆

株式会社SRJ 執行役員
安田 哲
約20年間にわたり首都圏大手進学塾の現場の最前線で、英語・国語を中心に指導。中学受験・高校受験の難関校への多数の合格者を輩出。科目の内容の指導だけでなく、家庭学習管理、生徒・保護者の皆様との面談を多数行う。大学院では言語学を専攻、英語以外の言語に関しても幅広い知識を有する。
好きなおでんの具材:1.大根 2.ちくわ 3.はんぺん